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sweet sweet 9


開けたそこには沢山の檻が置かれ、それぞれの中で動物達が目を光らせていた。
「これは…」と言葉がつい口から溢れる。
それに対して鋼のが「合成獣の材料」と短く答えた。
壁際に置かれている机には沢山の書物が平積みされており、白い壁を埋め尽くすように錬成陣の書かれた紙やメモが貼られている。
床にも所々、錬成陣がチョークで描かれている。どうやら完成はしていない陣らしい。
「上の施設は全てダミーでさ、ここが本命な訳。なんでも兵器が作りたいんだってさ」
机に置かれていた資料を手に取り、鋼のがほら、と手渡す。
分厚い、埃臭いそれを開くと賢者の石や合成獣、不老不死などについて書かれていた。
鋼のがそのまま歩みを進めて部屋の先へと進んでいくので、後に続く。
奥には沢山のマネキンのような人形が置かれ、壁には所々血痕までついていた。
「人体実験もしてるし、賢者の石についても研究してる。あんま良い気分じゃねぇよ」
奥の壁には棚が一面に置かれ、瓶詰めの目玉や腕などが置かれていていかにもな雰囲気だ。
「ここの部屋の下にもう一つ部屋がある。そっちが主に賢者の石に関してって感じかな〜。な?なかなか悪趣味な部屋だろ?」
「ああ…しかし大した研究じゃなさそうだな」
床に描かれている錬成陣を見ても、メモを見ても今ひとつといった感じだ。
「さっすが大佐。ここの施設のレベルは低いよ。そもそもヘドウィル少将は錬金術がわからないんだからな、自分の施設の研究レベルがどれくらいのもんかわかってもいないんだ」
「頭の悪い話だな…」
そんな話をしていると後ろからバタバタを階段を駆け下りてくる音が聞こえた。
ホークアイ中尉とハボックがホルスターへと手を伸ばす。
ドアをわざとらしいほどの音で開き、何人かの部下を引き連れたヘドウィル少将が駆け込んで来た。
「エドワード・エルリック!!なぜマスタングをここ入れた!!」
相当急いで来たのだろう少将は、汗をだらだらと流している。
怒りでわなわなと震える少将に対して鋼のはふ、と笑う。
「アンタがしてる研究が国を欺くものだからだろ?俺、国家錬金術師なんで、黙ってられなかったんですよねぇ」
ニヤニヤとふざけた調子で鋼のは言う。それによってヘドウィル少将は更に機嫌を悪くしたようだ。
「く、くそ…!!殺せ…!!」
ヘドウィル少将が引き連れて来た部下が一斉に銃を向ける。
「どうするんだね、鋼の」
私が呆れたように聞くと、鋼のはふははっと豪快に笑った。
「パパッと終わらせようぜ!」



(スウィーツを書きたい)